2011年5月5日木曜日

新美南吉の故郷を訪ねる


さて、最後に半田で生まれたあの児童文学者「新美南吉」の故郷を訪ねるということで、まずは「新美南吉記念館」へ。
よく北の宮沢賢治、南の新美南吉という比較をされることが多いようですが、よくよく本を読んでみると、2人とも世界観が違うなぁ・・・と感じるわけです。
もっとも、宮沢賢治は今、地震で大変なことになっている、東北(岩手)の出身。
対して南吉は東海(愛知)なので、風土も気候も文化も違うわけです。


新美南吉といえば、「ごんぎつね」「手袋を買いに」「おじいさんのランプ」など、小学校の国語の教科書に掲載されていたり、また図書室に必ずといっていいほど置いてあり、おそらく多くの方が南吉の作品を見られたと思います。
館内には新美南吉の生涯や、書物を模型化したもの、図書コーナーもありました。こうして大人になってから見るとまた違った角度でみることができるもんなのだなぁ・・・とあらためて思いました。特におじいさんのランプは、「100年以上前、ランプの時代から電気になり、当のおじいさんは、ランプの商売を泣く泣く思い切って捨て、古い商売に未練を残さない・・・」という話ですが、電気や原発のことが問題となっている今、ある意味タイムリーで深い物語であると個人的に感じています。


最後に向かったのは、この記念館から自転車で5分ほど走った、「南吉の生家」。
新美南吉はこの場所で生まれたとされています。


入ってみると本当に普通の昔の民家なのですが、なんか、20年近く前に亡くなった、私のおじいさんの実家を改装する前がこんな感じで、ちょっと懐かしいかも・・・と。
南吉の父は畳屋で、母を幼くして亡くした後、嫁いできた継母下駄屋を営んでいたそうです。
こうした複雑な環境のような感じですが、そうした中でさまざまな作品が生まれてくるきたことを考えると、感極まるところです。

ということで、自転車を返却してから、知多半田駅に戻り、名古屋まで特急電車で戻ってきました。
電車の中で今日周ったところのことを振り返ってみたのですが、特に新美南吉については、小学校の頃は本読み大嫌い少年だったので、本は読まなかったのですが、なぜか南吉だけはしっかり読んでいました。それだけ地元に近い場所の文学者であったことに親近感を感じていたのでしょうか。
とにかく、産業と文化に触れた一日でした・・・!
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