先日、「鉄道部品工場の被災影響で、直流モーター搭載電車に影響も」ということで、JR西日本や近鉄が運転本数の間引きや、両数の削減を公表した話を書きましたが、早くも近鉄では、南大阪線の花見臨時列車運休や、アーバンライナーplusの8両運転の取り止めを行うとの話がでました。
【お詫び】南大阪線臨時列車の一部運転取りやめについて
http://www.kintetsu.co.jp/toppage/owabi110324.html
車両部品の供給停止に伴う一部の特急列車の編成縮小について
http://www.kintetsu.jp/news/wfiles/110329sharyohensei.pdf
さて、そんな中ですが、名鉄とJR東海が平成23年度の設備投資が発表されました。
<名鉄>
(1)ICカード「manaca」の相互利用に向けた駅務機器及びシステム等の開発・改修
(2)太田川駅付近の高架化を始めとした駅施設の改良
(3)「新中経ビル(仮称)」の建設
(4)鉄道業務棟の建設
また、車両関係では、瀬戸線用に4000系電車が2編成(4両×2)追加増備されます。
そして、意外だったのは、地下鉄鶴舞線乗り入れ用の100系電車のうち、1編成がVVVF制御に換装されるということ。
すでに同系列では、1994年に最終増備編成の名鉄200系(100系200番台の追い番で、通称”200系”と呼称)が全てVVVF制御なのですが、もともとこの100系の初期編成は1978年で、当初は抵抗制御の4両固定だったのですが、のちに中間車2両をVVVF制御を採用で追加し、6両固定となりました。
ただ、追加の中間車両を除いた、初期の車両が30年以上経過しており、そろそろ廃車も出てきてもおかしくない時期なのですが、どうやら廃車にせず、今後もしばらく使用されるようです。
名鉄では足回りを再利用して車体のみ新造というのは昔からよくあることで、最近でも1000系パノラマスーパーの4両固定を、通勤用の5000系に再生利用した話もまだ記憶に新しいところです。
しかし、車体はそのままで足回りを交換するというのは、一部を除いて過去に名鉄ではあまり行われていないことではないでしょうか。
もっとも関東の私鉄(小田急や西武など)ではこのような足回りの更新はされているのでめずらしい事では無いかもしれませんが・・・。
<JR東海>
・安全・安定輸送の確保
・東海道新幹線における輸送サービスの充実
・在来線における輸送サービスの充実
・超電導リニアによる東海道新幹線バイパスの推進
・営業施策の強化
・技術力の強化、高速鉄道システムの海外展開の追求
・関連事業展開の推進
・地球環境保全、「リニア・鉄道館」の取り組み
引き続き、東海・東南海地震に対する、耐震補強が行われます。直接的な被害はなかったものの、このたびの東北関東大震災を機にさらに重点を置かれると思います。
それから、保安機器の更新としてATS-PT区間の拡大も行われます。
また、車両の更新として、新幹線ではN700系の増備、在来線では313系電車の増備が引き続き行われます。一方で旧国鉄時代からの電車の引退も加速していくだろうと思われます。
震災の影響で、東日本エリアでは設備投資の発表ができずにいるところもありますが、一日でも早く平穏な日本が戻ってくることを強く願っています。