東日本大震災の発生から明日で1週間が経とうとしています。
いまもなお、東北や関東を中心に余震が続いている状態です・・・。
我が家でも防災対策の一つして、転倒しやすいものを家の中から撤去する作業をし始めています。昨日は夕方までまず、自分の背丈より高い棚を撤去しました。
12年前に家を建て替えたときに、前の家からあるもので愛着のあるものでしたが、思い切って処分することにしました。
さて、その棚の下から、いろんなものが出てきました。車のカタログ、”今日から俺は!!”というコミック(弟が持っていたものをここで保管していた)など。
そして、なぜか、その棚の引き出しから小学生向けの絵本が10冊ほど出てきました。
本を見つけて思い出したのですが、その本の出どころは、名古屋市中川区の「アズパーク」というショッピングセンターの近くに、かつて10年くらい前まで「みどり子ども図書館」という、子ども向けの私立の図書館がありました。ここはネットで調べたところによると、1986年に開館したということで、当時ファミコンが全盛の頃で、私もその一人でした。社会現象として、子どもの本離れが指摘され始めた時代・・・。
そして、私がこの図書館と出会うのは、その5年後の1991年。ちょうど、母が小学校のPTA懇談会に出席していた時に、「こんな良い図書館があるんだよー!」と保護者伝いに聞いて、さっそく母と弟と私の3人で行ったことを思い出しました。
で、棚の下に眠っていた本は、前出の今から10年ほど前、同図書館が閉館する際にこの図書館の館長が「閉館するので、お好きな本や、思い出のある本を一人○冊まで差し上げます」ということでした。
当時、私は20歳過ぎたばかりの大学生でバイトや講義、友達との遊びに明け暮れていたので、代わりに母が行って本を取りに行ったことを思い出しました。大学から家に帰ってきて、母が「この本をもらってきたよ」と言っていたのですが、この時私は「ふ~ん」という感じでしか受け止めていなかったように思います。
昨日、棚を整理している本の数ある中から最初にたまたま手にした本のタイトルに、衝撃を受けました。
本自体が重かったのではありません・・・
これは1995年の阪神・淡路大震災の半年後に書かれた、自費出版の書籍。
子どもでもわかるようにひらがなで書かれています。本を書かれた「堀口清志さん」は当時、中学校の教諭をされており、神戸市灘区の自宅で震災の被害に遭われました。
おそるおそる本を開けて読んでいたら、震災後、被災地の神戸でお子さんが40度の高熱を出し、「息子にりんごをたべさせてやりたい・・・」と、必死にあっちこっちの救援所をひたすらかけめぐり、ようやく、ある救援所でボランティアさんから、りんごをもらって、大事に手に持って家路を急いでいたところ、しばらくしたらあとからさっきのボランティアさんが「これ(100%りんごジュース)をこどもさんに・・・」と堀口さんに渡されたそうです。この時、思わず涙がこぼれ落ちそうなった・・・そうです。
私は心温まると同時に、今起こってる、東日本の大震災の様子がリンクしてしまい、がまんしていた涙をこらえきれず、号泣してしまいました・・・(T_T)
絵本は子どもだけでなく、大人でも感動されるものだ・・・と深く感じました。
なお、この東日本大震災で、行方不明の方が多くいらっしゃいます。一人でも多くの方が無事でいること強く願っています。
なお、この本は、大阪の「清風堂書店出版部」というところから発行されたようですが、現在は絶版されているようです。あるとしたら、市町村の図書館にひょっとしたらあるかもしれません・・・
この本の存在を多くの人に知ってもらいたい・・・と思い、このブログに書かせていただきました。
<参考リンク>
堀口清志さん、久子さん夫妻 神戸市灘区2005/01/04(大阪日日新聞)
「人の優しさが涙が出るほどありがたかった」
http://www.nnn.co.jp/dainichi/kikaku/osksaigai/saigai050104.html
瓦礫の街の「おひさま」(2005年1月15日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/kikaku/021/20.htm