2010年8月13日金曜日
ピースあいち
あさっては終戦の日です。そんな中、私は名古屋市名東区にある、「ピースあいち」という民間のNPOが設立した博物館へ足を運びました。
当初、愛知県や名古屋市による公的博物館の建設を模索していたそうですが、諸事情により、断念。おりしも愛知県愛西市に住む、当時80歳代の女性からのご好意による寄付等により、この場所ができあがったそうです。
館内は終戦の日が近いだけあり、多くの人が訪れており、小~高校生がたくさんいました。
ちょうど、この日は戦争を体験された方の語りのイベントがあり、来館者はみな熱心に耳を傾けていました。
さて、そのイベントが終わってから、このピースあいちのスタッフで実際に戦争を体験されたから、このピースあいちについて少しお話をする貴重な機会がありました。
<以下、会話>
私「今日は終戦の日が近いからかもしれませんが、多くの方が来館されていますね。」
スタッフ「ええ、おかげさまで。特に小学生や中学生の方が多いですね。」
私「このピースあいちを運営されている、NPO法人「平和のための戦争メモリアルセンター設立準備会」となっていますが、”設立準備会”となっているのは?」
スタッフ「これはですね、よくみなさんからご質問されることなのですが、当初、県と市による博物館を想定して、行政に対して陳情していたのですが、予算等の都合により実現できなくなったので、このような形で民間の運営となっています。あえて”設立準備会”としている理由は、やはり戦争という過去の悲惨なものをきちんと行政にも関与してほしいという強い思いがあるからです。」
私「なるほど。ただ、このピースあいちは民間で運営されていることもあって、よりリアルに感じる取ることができると思いました。よその公的な平和教育を行っている施設だと、なかなか法的な基準とかあって、都合の悪いものを隠すという部分があるように感じます。やはり、民間で運営するという一番のよいところがここにあるのでは、と私は感じました。」
スタッフ「おっしゃるとおりで。まぁ、運営面とか資金面において大変なことはたくさんありますし、スペースもそれほど大きくないので、展示物をそれほど置けません。しかし、やはり私たちが伝えたいことをそのまま伝えることができることが、まさにおっしゃったとおりのことです。」
私「今、一番課題になっているのは、やはり、この戦争の悲惨さを次の世代へつないでいくための育成でしょうか?」
スタッフ「はい、そのとおりです。年々、戦争を体験している者も亡くなってきており、徐々に戦争についての生を声を伝える機会も難しくなってきています。このピースあいちでは、”まず見て感じてもらう・・・”ということを一番にしています。最近、生活が多様化してきて、考え方もみなそれぞれ違うようになってきました。だから、私たちが声を大にしていうよりは、まず、この戦争について一人一人の方が考えてもらえれば、それで言うことはありません・・・」
私「そうですか・・・私たち若い世代がこれからどうつないでいくことが重要なわけですね。私たちは戦争は体験していないから、どういうものかはうまく伝えられないかもしれないけれど、二度と戦争を繰り返すことのないようなことならできると思います。
今日はありがとうございました。」
スタッフ「いえいえ、またゆっくりといらしてください」
・・・という感じでした。
私の場合は、両親の祖父母から戦争についての話を幼少の頃に聞く機会がありました。
特に父方の祖父は志願兵として戦場に立ち、戦友を亡くしたという話。
母方の祖母はナゴヤ球場の近くに住んでいて、家も何もかも無くして命からがら逃げたこと・・・
今でもはっきりと耳の中に残っています。
私たち戦争を体験していない者はなかなか戦争の悲惨さや平和についてなかなか考えられないことが多いと思います。近年では核家族化による戦争体験について聞く機会がなかなかないと思います。
幸いにも、このピースあいちの企画展では金城学院高校の高校生の子たちが広島のピアノについての戦争にまつわる話を絵本にしたり、ぞう列車のお話があったり・・・と平和について考える若い世代が着実に増えていると私は思いました。
近年、ニュースや新聞等では若者の戦争についての無知が指摘されていますが、
それよりは、まずはこういった場所に行ってみると、少し違った視点で見れるのでは・・・?と私なりに感じました。
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当ブログは、個人が開設・運営をしているブログです。内容については個人的な解釈の範囲内で書いておりますので、あらかじめご了承ください。
また、ブログ内では固有名称等が出てくることがありますが、いずれも個人的な見解です。公式プレスリリースではありませんので、関係各所に問合せなさらぬよう、くれぐれもご注意ください!
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