2010年2月5日金曜日

名鉄犬山線布袋駅駅舎惜別・・・


98年という長い歴史を生き抜いてきた駅舎が、今日でその役目を終えます。

その駅舎は、犬山線布袋(ほてい)駅の駅舎で、かつて名古屋鉄道(名鉄)の前身である、
「名古屋電気鉄道」が岩倉~犬山間を開通させた時に開業した駅舎で、かつては、犬山線の扶桑駅や犬山駅でも同様のデザインの駅舎が見られましたが、扶桑駅は、地下鉄鶴舞線と相互乗り入れした数年後、犬山駅は、昭和の終わりごろに、ともに橋上駅舎化され、その往年の姿を見ることはできません。
そういう意味でも、この布袋駅の駅舎は、犬山線開業当時からの生き証人といっても
過言ではありません。
この布袋駅は近い将来、高架の駅になります。まぁ、これだけ自動車が増えれば、当然、踏切での渋滞や事故も多くなってくるわけです。
しかし、その一方で、残念ながら、この開業当時の駅舎は、一部を残して解体されるそうです。


この駅舎の特徴は、名古屋電気鉄道時代からの社紋が施された門構えで、
なんとも味わい深いものだと感じました。
余談ですが、母の実家の最寄り駅は、同じ犬山線の扶桑駅なのですが、
先ほど申し上げましたのように、布袋駅と同じような造りの駅舎であり、
なんだか、この駅舎を見上げたとき、まるで私が子どもの時にタイムスリップように感じました。


<扶桑駅もこんな感じだった。構内踏切は無いが・・・>

私が小学生の頃、夏休みや冬休みの学校が休みの時は、母の実家へ帰省するわけですが、私と3つ下の弟が母に手を引かれて扶桑駅に降り立った・・・そんな記憶がよみがえる感じでした。
そして、名残惜しむ気持ちで、自宅へと帰路へつく時、駅まで見送ってくれる祖父母の姿が今でも脳裏に焼き付いています。
祖父は現在も健在ですが、祖母は10年前に他界してしまいました。
まさに、懐かしさを体感させてくれたひと時でした・・・。

あたりも夕暮れになり、そろそろ帰りの時間になってしまいました。
今までいろんな鉄道に関する写真を収めてきましたが、今回ほど、後髪ひかれる思いはありませんでした。
何か鉄道趣味という、その趣味とはまた違った思いというか、忘れていた記憶を思い出させてくれました。まだ、私が幼稚園~小学生の頃は、冷房が無い、吊り掛け駆動の「ぐぉ~ん・・・」というレトロな電車がまだまだいっぱい走っていましたから(笑)

でも、それと同時に、形あるものはやがて、消えていく運命である、だからこそ、今を生きる・・・そんなことをこの駅舎は教えてくれたように思います。


<駅舎内に飾られていた、貼り絵>
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